ほくでんからのお知らせ 2019年度
泊発電所1,2号機 消火設備の凍結による一部損傷に係る原因と対策について
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2019年4月24日
2019年2月9日0時30分、当社社員が発電所設備のパトロールを実施していたところ、凍結により、1,2号機給排水処理建屋消火ポンプ室内の消火加圧水ポンプ※等が損傷するとともに、関連計装配管の一部が使用不能になっていることを確認しました。
凍結の原因は、ポンプを設置している部屋の暖房を設備不調により停止させていたところに、今季最強の寒波が襲来したことで、室温が約マイナス5℃まで低下したことによるものです。
今後、損傷箇所を復旧するとともに、再発防止対策を徹底してまいります。
※消火加圧水ポンプ:消火設備がすぐに使用できるように、電動消火ポンプ、エンジン消火ポンプが起動するまでの間、消火水系統を一定の圧力で保持するためのポンプ
(2019年2月9日お知らせ済み)
当社は、2019年2月9日に発生した「泊発電所1,2号機 消火設備の凍結による一部損傷」について、発生原因の究明を行い、再発防止対策を策定いたしましたので、お知らせいたします。
なお、損傷した消火加圧水ポンプ等については、2019年3月14日までに復旧しております。
当社としては、原子力安全のたゆまぬ向上を目指す活動を進めている中、大寒波襲来の気象予報が出されていたにもかかわらず、消火設備を凍結により損傷させてしまったことを、重く受け止めております。
今後は、同様の事象を発生させないよう、再発防止対策を徹底してまいります。
この度、道民の皆さまの信頼を損ねる結果となりましたことを深くお詫び申し上げます。
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本事案の発生原因となった行為および事象
- (1)2018年12月12日~2019年2月6日
2018年12月12日、1,2号機給排水処理建屋内にある消火加圧水ポンプを設置している部屋(以下、「消火ポンプ室」という。)の暖房を運転した際、温度調節器の不調により、自動での温度制御ができない状態であることに気づきました。
しかし、1,2号機給排水処理設備の管理の委託(以下、「当該委託」という。)を発注している当社担当課の社員(以下、「当社担当課員」という。)は、当該暖房が凍結防止の機能を担っているという認識が十分でなかったため、所属長の承認を受けず、当該委託を受注している協力会社員(以下、「協力会社員」という。)に消火ポンプ室の暖房の停止を指示しました。その後、2019年1月10日に、当社保守部門の室内作業のため一時的に当該暖房を運転し、作業が終了したことから同年2月1日に暖房を停止しました。
当社担当課員は、暖房を停止したことについて、所内関係者に情報共有しなかったため、凍結に至るまで当該暖房の停止状態が続きました。
本来、自動での温度制御ができない状態でも手動での当該暖房の連続運転は可能であり、冬期間は手動で連続運転としておくべきでした。
- (2)2019年2月7日以降
当社運転員による消火ポンプ室のパトロールは、毎日、屋外パトロールの一環として行われており、凍結損傷に至る直前の2019年2月7日に実施したパトロールでは、極めて寒い屋外から消火ポンプ室に入ったため、体感的に寒さを感じることができず、室温の著しい低下に気づきませんでした。
また、暖房停止に伴う凍結リスクに関する指導・教育が不足していたことから、当社担当課員や協力会社員は、大寒波が襲来する気象予報が出ていた状況下においても、当該暖房の稼働状況などについて現場パトロールを実施していませんでした。
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推定原因
状況分析の結果、消火加圧水ポンプ等の損傷に至った原因は以下のとおりと考えます。
- (1)当社担当課員は、協力会社員に指示をする場合は、「運転連絡票」(以下、「連絡票」という。)を作成し、所属長の承認を受け、回付することとなっていますが、連絡票の運用が明確に定められていなかったため、協力会社員への当該暖房の停止指示に関して、連絡票を作成していませんでした。
このため、所内関係者への情報共有がされませんでした。
- (2)協力会社員は、当該委託で実施した業務内容を、日々「業務日報」に記載し、当社担当課の所属長の確認を受け、「業務日報」の内容の情報共有を、当社と協力会社間で行うこととしていました。
しかし、「業務日報」の運用が明確に定められていなかったため、当該暖房を止めていることが「業務日報」に記載されず、情報共有がされませんでした。
- (3)当社運転員による消火ポンプ室等のパトロールでは、凍結リスクに関する配慮が不足しており、関連するマニュアルにおいて、外気温や室温の確認を実施することが明確になっていませんでした。
- (4)当社担当課員や協力会社員は、当該暖房が凍結防止の機能を担っているという認識が十分でなく、また、関連するマニュアルにおいて、当該暖房がパトロールの対象設備であることが明確になっていませんでした。
- (5)当該委託の管理のあり方について、当社担当課員に対する指導・教育が十分でなかったため、当該暖房を停止することについて所属長への報告を行わず、承認も受けていませんでした。
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再発防止対策
前述のとおり、今回の事象を発生させてしまった背景としては、情報共有のルールに不明確な点があったこと、および当社担当課員等に対する教育に不十分な点があったと考えております。
このことから、以下の再発防止対策を今後、速やかに実施し、同様の事象を発生させないよう改善いたします。
(1)
関連するマニュアルによる情報共有の明確化
以下の4点について、関連するマニュアルに記載し、情報共有等のルールを明確化します。
- a.当社担当課員は、協力会社員に指示する場合は、暖房の停止を含め、全ての指示内容を「連絡票」に記載し、所属長の承認を得るとともに、所内関係者にも情報共有する。
- b.協力会社員は、暖房の停止を含め、運転操作や警報発信について、都度「業務日報」に記載し、当社担当課員の所属長の確認を受けることで、当社と協力会社間で情報共有する。
- c.当社運転員によるパトロールにおいては、消火設備を含むプラント全般の凍結リスクを考慮し、外気温や室温の確認を実施する。
- d.当社担当課員や協力会社員が実施するパトロールの対象設備には、凍結防止のための設備が含まれていることを明確にし、その凍結防止のための設備の稼働状況および健全性について確認する。
(2)
教育の実施
a.
当社担当課員や協力会社員を含む所内関係者に対する教育
- 室温管理などの凍結リスクを包括的に認識した設備の管理に関する教育を実施する。
- 情報共有の不足等による問題発生を防止するため、委託の管理のあり方を含めて、本事象の原因と対策について周知・教育を実施する。
b.
当社運転員に対する教育
- 当社運転員によるパトロールについて、外気温・室温等の確認だけではなく、泊発電所のプラント全般の凍結リスクを包括的に認識したうえでパトロールを行うよう教育を実施する。
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